ガンについてのリスク。
がんになる原因には、遺伝や悪しき生活習慣が挙げられます。血のつながった家族が罹患したがんなら、自分自身も発症リスクが上がることが多いですし、喫煙や飲酒などの生活習慣も、さまざまながんの発症リスクを上げます。
しかし、実はがんの原因に「感染症」の割合が非常に多いことは意外に知られていません。なんと、がんになった4人に1人は感染症が原因とされています。
まず、代表的なものが「ピロリ菌」です。
ピロリ菌は、衛生環境の悪い水を飲んだことなどによって感染します。体内に入れてしまったピロリ菌は、なんとも厄介なことに、食道を通過し胃にたどり着いたあと、強力な胃酸を中和してしまいます。こうして胃酸を無力化することで、そのまま胃の中で快適に生活を始めてしまうのです。
衛生環境が改善された現在は、若者のピロリ菌の罹患率は昔にくらべて格段に低下しましたが、明治・大正・昭和当時は衛生環境が十分なものではなく、井戸水や汚染された水からピロリ菌を体内に取り込んでしまうことが珍しくなかったのです。